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その黄色いゴム長は膝に防水カバーがついていた
diary photo 長靴を履こうとしたら足首のゴムがひび割れて、足を入れたらべりっと横に裂けた。10年前にホームセンターで買ったアメリカのブランドだった。
 形も気に入って雨の日には必ず履いていたので、履きつぶしたというのだろうか。実感としては、ゴム長としては短命だ。というのは、東京で履いていたフランスのヨットのAIGLEマリンブーツは、もっともっと長い期間履いていた気がする。それでもう一度AIGLEを英国のアマゾンで注文した。
 その黄色いゴム長は膝に防水カバーがついていたけれど、ヨットのデッキで履く人も少なくなったのか、同じものは製造していなかった。それでもかまわない。
 ああ、懐かしい。雨が降ると足元悪くて出かけるのも億劫になりそうだったが、久しぶりの買い物に …raindrops falling on my yacht boots. 興奮さめやらず。

6月10日
diary photo 夏にいちばん好きなデザートは杏仁豆腐。のどごしならプリンでもゼリーでも、ところてんやくずもちでもいいけれど、口に含んだ時にとろけるような舌触りと、ふっと香り立つ杏仁独特の甘やかさとスパイシーさ。
  通りすがりの残り香を、ちょっと待ってと引き止めて、繊細さを心ゆくまで味わいたいと願うのだけれど、つい、つるんつるんと滑り落ちるのを追って運ぶ匙もまた止まらず。
 香りを追求してゆくと、アーモンドパウダー製ではなく、アプリコットパウダー、あるいは甜杏仁パウダーと呼ばれる商品にたどり着く。あんずの種の硬い殻を割って、中の白くてハート型の仁を粉にしたものの純度の高いのを選ぶ、それだけで格別の杏仁豆腐ができる。
 アガーでゆるめに固めるとフルフル揺れて、甘みはハチミツかメープルシロップをかければ来客みな満足する。かくてクインテッセンス名物になってしまいそう。

6月10日
diary photo 夏のだるさや日焼けあとの熱気を感じたら、ローズマリーの葉を2、3枚、指の腹で潰して鼻先にもってゆく。しばらくその香りを嗅いでいると、葉緑素の色濃い、葉の精油が咽頭から気管を通って爽やかな気が胸いっぱいに広がって深呼吸。
 天候や気分によっては、レモンの葉だったり、ミントの葉でもいいけれど、特にローズマリーには抗酸化作用があるそうなので、これからの私の年月には欠かせない。
 いつの頃だろうか、ローズマリーを植木鉢で育てるようになったのは。しばらくして旅先の南仏プロバンスの家の庭先で茂っていたのを見かけて、ローズマリーって木だったのかと再認識した。夏前に古い枝葉を刈り取る。蜘蛛の巣や埃で若芽の成長を妨げないよう、風の通りをよくするためだ。花はバターに混ぜて楽しみに。
 刈り取った枝葉はうつわに盛って洗面所に置けば、自然乾燥天然香となる。