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待ち時間
乗り継ぎの待ち時間をどのように過ごしていますか? 中継地点が訪れたことのない国だったら、その国の物産を売っているところが楽しいです。その体験は、ちょっとした工芸館や民芸館を覗くようなものです。おみやげ用に作られた俗っぽいものから、希少な骨董品までありますから、眺めていると夢中になって、あ、いけない。乗り遅れそう。と、あわてないように、最初に自分のゲートと時間を確認してから、探検にでましょう。
審査と検査と
自分の持ち物や、身体の隅々まで調べられて、命令口調で指図されると不愉快ですね。でも相手はどうでしょう。こういったことを好きな人はいないのでは。お願いだからつまらないことで誤解を招くようなことはしないでね、と思っているかも。すべては旅路の安全のために、という本来の目的を思い出せば、お互いが救われるのですが。あるとき、無事に手続きが終わって「ありがとう」って言ってみたら、「ご協力ありがとう」って。それまで軍人みたいだった表情が一転してきれいな女の人の笑顔に変わりました。
異国の空気
飛行機を降りて最初に感じる異国の空気。乾いている、湿っている、暑い、なま暖かい、ひやっとする、そういったことは旅の経験のなかでも身体が憶えること。思わぬときに甦って、その微妙にまざりあった空気を味わいながら旅情を噛みしめていたりします。じつは、言葉にならないそういった感覚や、こみ上げるような情緒が旅の宝ものかもしれません。映画、音楽、詩、小説にも、その土地特有の空気感が漂っていますものね。
口論
旅先ではちょっとしたもめごとに遭遇することがしばしばありますね。そんなときあなたはどうしていますか? 私は遠巻きにじっと聞き入ってしまいます。観客がいると知るや、不思議なもので、当事者たちもそれを意識してか、言い分を正当化するための努力を惜しまない。そうよね、と共感したり、え? そう考えますか、と驚くべき発想や予想外の結末もあります。異国の人たちのものの見方や考え方を理解するのにこれほどの機会はありません。暴力沙汰にならない限りは、コントのように味わい深いものです。