logo

カンタ : Kantha
古い布を集めて、重ねて、ステッチでキルト刺繍を施したベンガル地方のカンタは伝統的な存在です。着古した木綿のサリーや、男性が身に纏うドティから作られているため、肌触りも柔らかく、新生児のおくるみにもってこいです。大きなカンタはベッドカバー、小さなカンタは本や道具の覆い、枕やクッション、バッグにも用いられました。
刺し子
世界各国に見られるキルトの日本バージョンですが、古くなってすり切れた野良着などの、木綿の布を何枚も重ね合わせて、補強のために全面に細かく刺し縫いにしたものです。いわゆるリサイクルの衣服には保温力があり、丈夫なので、労働着や柔道着、剣道着、消防服などに用いられました。現在は平織りに糸を浮かせて刺し子のような紋様を表したものが使われています。
古いもの
伝統的な工芸品を現代人の好みにアレンジして作られた商品がたくさんあります。それらが悪いとはいいませんが、オリジンを知らずに名前だけで買ってしまうのはどうでしょうか。そういうものがどのような生活のなかで生まれたか、色使いやモチーフ、仕事の丁寧さなどを伺い知ることができます。それはあなたのものを見る目の素養となります。
裏も表も
ものを見極めるうえで基本的なことといわれていますが、古今東西、家具や衣類に限らず、ほんとうによいものは裏も表も丁寧に仕上げてあります。増えすぎた持ち物を仕分けるときに、よいチェックポイントとなります。古いもの、新しいもの、値段の高かったものから安かったものまで、裏側から見くらべてみれば、容赦ないほど一目瞭然です。