- 白い貝がら
- 子安貝とも宝貝とも呼ばれる巻貝のなかで、小さく白いものはビーズのように糸で縫い付けて、刺繍とともに装飾にしたり、連ねて房飾りにしたものがあります。古いものは馬や象や駱駝などの荷を運ぶ動物の装身具として残っています。子安貝と呼ばれるのは安産のお守りや象徴であり、宝貝と呼ばれるのは、その昔貨幣として使われていたから。
- ブロケード
- 日本では錦織と呼ばれ、とくに絹の生地に金糸銀糸で織られたものは昔からの天竺の伝統的織物です。ザリと呼ばれる金糸のサリーやロングスカートは、今でも結婚式や宗教的な儀式、そのほかのめでたい催しや社交的な場所に列席するときには着用されます。19世紀におけるベンガルのムスリダバッドは世界に名だたる最高級のキムカブ(kimkhab )ブロケードの中心地でした。
- 涼しい音色
- ここでは金、銀の擦れる音や鈴の音が奏でる気品の高い金属音のことで、叡智、智慧(sophia)を象徴しています。それは単に頭がいいとか知識があるとかといったことでなく、人生経験や人格を高めるといった目的のために、真理に即して正しくものごとを認識して判断することのできる能力のことで、ものごとの根本に関わる深い知識のことです。
- 街では見ない
- やんごとなき人びとは、学校へ行く子どもたちも、パーティへ行く大人たちも、運転手付きの車でドアからドアへ移動するので、街を歩いている姿など見かけません。私たちはともすると、観光街の喧噪や名所旧跡のバザールにたむろする人びとがその国民性であるかのように誤解しがちですが、そのほとんどは観光客目当てに他所から来た人たちだったりす