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養生訓
江戸時代に儒学者の貝原益軒によって書かれた健康な暮らしかたについての解説です。身体は親から授かったものだから長寿を全うすることがいちばんの孝であり、そのためには内側に起こる欲(飲食、好色、睡眠、口数)を慎んでこころを平静に保ち、身体はよく使い、気をめぐらし、外邪(風、寒、暑、湿)を畏れて防ぐことが大切であると。
白い木綿の衣服
なぜ白が特別かといえば、砂漠で汚れやすい白をきちんと洗って、アイロンをかけて、清潔を保つことには並ならぬ努力がいります。なぜ木綿が特別かといえば、天竺木綿の名のごとく、綿の生産地であり、国の象徴です。天竺人の家を訪問する際、白い木綿の衣服を身に着けているのは、相手に対する敬いの気持ちからと解釈され、喜ばれます。
メンタリティ: mentality
こころの状態、心理、精神の作用などをいいますが、それはものの見方考え方といった精神の構造から生じるものです。ひいては知力、思考力、知性をさします。たとえば子どもっぽいものの考え方とか知力の優れたものの見方とか。言語や性別年齢を超えて、メンタリティをよく理解すれば、人との接しかたに深みが増してゆくような気がします。
機微に触れる
表面からは知りにくい微妙な心の動きやものごとの趣きをいうのですが、国や言葉には隔たりがあっても、ときどきこころがとても近くで触れあった気がする瞬間があります。おそらくそれはひとりの人間としての経験から導きだした思慮深い判断や対応を、畏敬の念とともに了解したような、そこにはなんともいえぬ感慨深いものがあります。