- 丸めたお札
- 日本には「ぽち」なる小さなのし袋があって、祝儀やお年玉やチップ、はななど与える習慣がありました。チップを渡すときにも、お札を広げて「はい!」なんてことはしません。気は心、量や額はわずかだけれど誠意が込められていることを言います。お札も小さく丸めてすっと渡す。美徳だと思いますが、近頃ではあまり縁がなくなりましたね。
- やるせぬ気持ち
- 遣る瀬無い、つまりどこへも持ってゆきようのない気持ちのことです。ものごとは収まるべきところに収まれば落着、納得したり決まりがつくのですが、身から出た錆とか不徳の致すところなどといった、所詮わが身の不始末ゆえに引き起こされる諸事の結果は、だれを責めることもできず空しく、行き着く先もないままに過ごす心の状態のことです。
- 気分次第
- 風がそよっと吹いて、「ああ、きょうは気持ちのいい日だなあ」と感じたら、なにか人に対しても優しくなったり、気前よくなったりする。そこに運良く遭遇した相手は、なぜかいい目にあったりする。そしてその人も他の人に対して親切にするかも知れない。私たちの生活はいろんなひとの気持ちの連鎖に影響を受けているのです。どうにもならない日もあれば、ものごとがトントン拍子にうまくゆく一日もあるという、気分の道筋。
- 月が微笑む
- 空に上弦の月がかかると、まるで笑ったような口の形に見えます。うんと欠けて鞘のように鋭くなってくると、いよいよもって道化師ハーレクインの口のように見えます。下弦の月は逆にもの悲しい目のようで、ときに気持ちに同調したり、あるいは励ましているかのように自分の心を映します。だれかに見られていると感じたら月を見上げてみて。
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- 「風さんとの出会いの話」に寄せたtravel tips はこれで終り、しばらく休刊いたします。